絶対に使っちゃダメな退職金運用プラン|60歳からの投資信託

要望のあった60歳からの資産運用について書きます。定年退職を迎えるとどこからともなく届く、「退職金を運用しませんか?」の案内。そこには、「絶対に使ってはならない、退職金運用プラン」があります。

1 定期預金(高金利)+投資信託プランに気をつけよう

退職金運用プランには、主に「定期預金プラン」と、「定期預金(高金利)+投資信託プラン」があります。定期預金+投資信託プランとは、「投資信託〇〇円以上の買付てくれれば、定期預金部分を高利息○%/年でつけますよ」というものです。

これ、絶対に使ってはなりません!!!

確実にマイナスからスタートです。。退職金運用プランの提供側は、ビジネスなので利益がないといけない訳ですが、これでは60歳まで一生懸命働いた方がハッピーになれません。

どれだけマイナスか、具体的なプランで見ていきましょう。1000万円の退職金を運用すると仮定しましょう。

A社
条件:預入金の50%以上投資信託を購入、定期預金は利息5.5%/年(税引前)でお支払い(預入期間3ヶ月)
投資信託:購入時手数料2.16%~3.24%
信託報酬:ここでは、1.08%/年で計算

利息計算
500万円×5.5%(利息)×3ヶ月/12ヶ月=68,750円(税引前)
利息には、税金が20.315%かかります。
68,750円×20.315%=13,966円(税金)
あなたの利益=68750-13,966=+54,784円(税引後)

投資信託の購入時手数料
Aファンド:500万円×2.16%=−108,000円 すなわち投資元本は489.2万円
Bファンド:500万円×3.24%=−162,000円 すなわち投資元本は483.8万円

投資信託を購入した時点で、アナタはマイナスのスタートです。購入時手数料が利息を大幅に上回っています。購入時手数料が2.16%(Aファンド)なら54,784円−108,000円=−53,216円で、3.24%(Bファンド)なら54,784円−162,000円=−107,216円です。

この状態から1年運用する場合を想定すると、信託報酬は次の通りです。

信託報酬1.08%/年のファンドを購入した場合
元本489.2万円×1.08%=−52,834円
元本483.8万円×1.08%=−52,250円

Aファンドなら1年で(−53,216円)+(−52,834円)=−106,050円の負債があります。投資元本489.2万円対して、106050円は約2.2%です。Aファンドが1年で2.2%の値上がりを見せて、ようやく±0円です。

Bファンドなら1年で(−107,216円)+(−52,834円)=−160,050円の負債があります。投資元本483.8万円対して、160050円は約3.3%です。Bファンドが1年で3.3%の値上がりを見せて、ようやく±0円です。

もしも、2.2%~3.3%の成長がなければ、アナタは損をします。これって結構なリスクです。

もし、投資信託(ファンド)だけを500万円購入していたらどうでしょうか?当然、購入時手数料はゼロのものを買います。1年で1%の値上がりでも+5万円、2%なら+10万円、3%なら…と。すべてアナタは得します。例えば-1%であれば-5万円ですが、先ほどのプランならマイナスがさらに上乗せされます。

コチラの方がリスクが低いと思いませんか?

というように表面的な利息に惑わされずに、費用の部分にも注意しておきましょう。

 

2 分配金型の投資信託にメリットはない

次に注意しておきたいのが、「毎月分配金がもらえますよ」という投資信託です。この投資信託のメリットについてずっと考えてきましたが、やはり「メリットはない」というのが私の見解です。

分配金型とは、毎月(又は3ヶ月毎など)に保有口数に応じて現金がもらえる投資信託です。分配金には、普通分配金と特別分配金(元本払戻金)があります。この特別分配金に注意が必要です。全然特別ではない。

簡単に理解しておきましょう。

普通分配金

例えば、10000円の基準価額の分配型ファンドを10000円分購入したとしましょう。翌月に基準価額が11000円に上昇しました。ファンドが決算し、分配金を1000円支払いました。決算後にファンドの基準価額は10000円になりました。このときの分配金は利益から出されているので、普通分配金と呼ばれます。

常に利益を出し続け、その中から分配金を出すタイプのファンドなら、アナタは利益を得続けます。

特別分配金

同じように、10000円の基準価額の分配型ファンドを10000円分購入したとしましょう。翌月に基準価額が11000円に上昇しました。ファンドが決算し、分配金を2000円支払いました。決算後にファンドの基準価額は9000円になりました。このときの分配金のうち、利益から出されている1000円分は先ほどと同じ普通分配金です。

残り1000円は、元本からアナタに払い戻されているもので、元本払戻金(特別分配金)と呼ばれています。といっても、アナタが投資しているものが返されているだけです。

これを「おっ、利益が出てるから分配金も多い」や利益が出ていないのに分配金が出ていて、「安定して分配金が出ている」と勘違いしている方がいます。

元本払戻金は、NISAで投資していなくても税金はかかりませんが、「再投資」を選択していない限り、アナタの投資元本はどんどん減っていきます。そのため、得られる分配金も少なくっていきます。

なぜ、元本払戻金(特別分配金)を出すのか?

私は、これがどうしても理解できませんでした。上記のような勘違いの元でしかないと。分配金なしの投資信託でも、利益を出していれば基準価額も右肩上がりになります。プラスなのは明らかです。分配金型は、複雑で決算書をきちんと読まないと理解しにくいです。その結果、勘違いも生まれやすくなります。

なので、どんな場合においても、分配金型の投資信託は絶対にオススメしていません。

 

3 まとめ

60歳から初めて投資信託を始める方は、比較的大きいお金を投資する場合が多いため要注意です。一見するとお得そうなプランや、高配当な投資信託には気をつけてましょう。始める時点で、マイナスなプランには入るべきではありません。